本革と合成皮革の違いとは何でしょう?
このように聞かれて、はっきりと答えられない人も多いのではないでしょうか?
また、最近では合成皮革のレベルが上がり、本革と見分けがつかないほどリアルなものも増えたため、商品をみても区別できない時もあると思います。
そこで今回は、本革と合成皮革の違いや見分ける方法について解説します。本革と合成皮革を見分けられるようになりたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
本革とは
本革は、動物の皮膚に特殊な加工を施し、製品が作れる状態に仕上げた素材です。
一般的なものでは、牛や馬、豚、山羊、羊、ワニ、ダチョウなどがあり、すべて天然素材のものを使用します。そのため、「天然皮革」と呼ばれることもあります。
本革は人間の皮膚と同じように、毛穴やシワ、血管の跡などがついていることも多く、個体差があるのも魅力のひとつです。
また、牛革だけでも「カーフスキン」「ヘアカーフ」「キップスキン」「ステアハイド」のように成長段階によって呼び方が変わるのも特徴です。
それぞれの段階によって柔らかさや光沢が異なり、基本的にはどの動物も生まれてからの期間が短い方が価値が高い傾向にあります。
合成皮革とは
合成皮革は、布地にポリ塩化ビニールやポリウレタンなどの合成樹脂を塗布し、本革に見えるように作られた素材のことです。
本革に似せて作ることから「フェイクレザー」と呼ばれることもあり、なかにはそのような革があると思っている人もいるかもしれません。
しかし、合成皮革は人工的に作った素材のため、その特徴は動物の皮膚とは全く異なります。
合成皮革に使われている合成樹脂は、空気中の水分と結合して「加水分解」をおこします。
加水分解は使用しているかどうかに関わらず進行するため、「しばらく履いていなかった靴の底がボロボロになって壊れた!」という場合、多くは加水分解による劣化だと考えられます。
また、合成皮革の寿命は一般的に3年程度と言われており、崩れるようにボロボロになるだけでなく、表面がベトついたり、パリパリ剥がれたりすることもあります。
本革と合成皮革の見分け方
本革と合成皮革はまったく違う素材のため、においや経年変化など、異なる点がたくさんあります。
とはいえ購入するときににおいを嗅ぐわけにはいきませんし、使わないことには経年変化による違いもわかりません。
そこで、いくつかの見分けやすいポイントを以下にまとめました。本革と合成皮革を見分けたいときは、以下のポイントに着目してみましょう。
【表面の違い】
本革の表面には毛穴のブツブツや血筋の跡があり、合成皮革はツルツルで毛穴などがない。
【折れ曲がった部分の違い】
合成皮革を折り曲げると布地と樹脂の間に隙間ができるため、浮き上がって不自然な曲がり方をする。
本革は、筋がすっと通るような曲がり方をする。
【断面の違い】
本革の断面は繊維が詰まっており、切りっぱなしの場合は毛羽立っている。商品によっては、コバ磨きなどによって処理している。
合成皮革は断面を隠すように染料が塗られていたり、パイピングされていることが多い。
まとめ
今回は、本革と合成皮革の違いや見分け方を紹介しました。合成皮革は本革に似せて作った素材のことで、天然素材ではありません。
最近では完成度の高い合成皮革も多く流通しているものの、寿命が短く劣化しやすいのがデメリットです。
そのため、長期間愛用して経年変化を楽しみたいと思う場合は本革を選びましょう。
本記事で紹介した内容を参考に、本革と合成皮革の違いを知り、好みや用途にあうアイテムを見つけてくださいね。