エイジングによる深い味わいが楽しめると人気のヌメ革。レザー本来のナチュラルさで、ファンも多いレザーの1つです。
ヌメ革はその自然な風合いが魅力ですが、表面加工がない分「水や汗に弱い」という特徴があります。そのため、初めてヌメ革のアイテムを使う人や知識がない人にとっては、ヌメ革の手入れは難しく感じるかもしれません。
手入れ方法は人それぞれですが、基本のメンテナンス手順を知っておくと、他のレザー製品にも使えるので便利です。今回は、ヌメ革バッグのお手入れ方法を解説していきます。
ヌメ革バッグのお手入れ方法
ヌメ革を使っていく上でもっとも重要といえるのが、「乾燥させないこと」です。そもそもレザーには人間の肌と同じように、水分と油分がバランスよく含まれています。
しかし、手入れを怠ると水分・油分が蒸発し、乾燥してしまいます。そして乾燥が進行するとヒビ割れを起こして劣化を早めてしまいます。これは、冬に指先がカサカサになってあかぎれを起こすのと同じで、レザーの乾燥も進行するとあかぎれのように割れてしまうのです。
このような状態はレザーに大きなダメージを与えてしまうため、定期的な手入れで乾燥を防ぐことが大切になります。
では早速、ヌメ革バッグの手入れ手順をみていきましょう。
①ブラッシングでホコリを落とす
革用のブラシを使って、バッグの表面に付いているホコリなどの汚れを落としていきます。レザーは人間の皮膚同様にシワや凹凸があり、目には見えない細かなチリが入り込んでいます。
あまり力は入れなくて良いので、汚れをかきだすようなイメージでサッサとブラッシングしましょう。とくに角や縫い合わせの段差部分などは汚れが入り込みやすい部分なので、隅々までブラシをかけて綺麗に仕上げましょう。
ブラッシングだけでは落ちない汚れが付いている場合は、「レザー用のクリーナー」を使って汚れを落とすとよいです。
②レザー用のクリームを塗る
次に、レザー用のクリームで保湿していきます。綺麗なウェス(布)にクリームを少しとり、全体に塗り広げていきます。
レザー用のクリームはたくさんの種類が販売されているため、どれを選べば良いのか悩むこともありますよね。ヌメ革に合わないクリームを使ってしまうと、シミになってしまうこともあるので慎重に選びたいところです。
基本的には、大手シューケアメーカーから販売されている「ヌメ革用のクリーム」を選ぶとよいでしょう。もしくは、「ヌメ革にもお使いいただけます」と記載されているものが安心です。
③防水スプレーで防水効果アップ
防水スプレーは必須ではありませんが、表面を保護して水の浸透を防ぐためにしておくとよいでしょう。ただしヌメ革と近い距離で防水スプレーをすると、何かの拍子に大粒の防水スプレーが付いてしまい、シミになる可能性があります。
必ず遠くの位置から、ふんわり均一にかかるように動かしながらかけてあげましょう。スプレーが浸透するのを少し待ち、布で乾拭きして陰干ししたらお手入れ完了です。
また、防水スプレーは必ず屋外でおこなってください。防水スプレーに含まれる成分は人体に悪いもので、密室の部屋でおこなうと防水スプレーに含まれる樹脂の粒子を吸い込んでしまいます。
大量に吸い込むと肺に悪影響を及ぼすこともあるので注意しましょう。
まとめ
ヌメ革の手入れは思っているよりも簡単です。ただ、大量にクリームを塗ったり、防水スプレーを至近距離でかけたりすると、シミを作ってしまうこともあります。
レザーは、乾燥すればするほど水を吸収しやすくなります。定期的な手入れでクリームを塗ると、乾燥を防ぐ以外にも防水対策ができるというメリットもあります。
長く綺麗な状態をキープできるように、今回の内容を参考に手入れしてみてくださいね。