レザーのなかでも人気の高いヌメ革は、経年変化を楽しめるのが最大の魅力と言えるでしょう。しかし、革には経年変化するものとしないものがあります。
また、本革のアイテムを使って実際の変化を見たことがなければ、どのように変わっていくのかわかりませんよね。
そこで今回は、革の経年変化について詳しく解説します。ぜひ参考にしてください。
そもそも革の経年変化とは?
革の経年変化は「エイジング」とも呼ばれ、使っていくうちに色やツヤ、質感などが変わっていくことを指します。
とはいえ全ての革が経年変化する訳ではなく、革の製造段階で「植物タンニン」を使い、なおかつ「染料仕上げ」で作られたものが経年変化することになります。
この植物タンニンは、空気や紫外線に当たることによって酸化する性質を持っているため、時間が経てば経つほど色が濃くなり、深みが増していきます。また、手入れの際にクリームやオイルで油分を足すと、摩擦によってツヤが出やすくなります。
逆に、革を作る工程で「顔料仕上げ」されたものは、経年変化を楽しむことはできません。顔料仕上げは『革の表面に色を乗せる』というイメージの着色方法で、表面をコーティングしてしまうため、本来の革の変化が見られないのです。
では染料仕上げの方が良い革で、顔料仕上げは悪い革なのか?というと、そうではありません。どちらにもメリット・デメリットがあり、それぞれの特徴を生かした製品を楽しむことができます。
革を綺麗にエイジングさせるために大切なこと
一口にエイジングと言っても、革によって変化の仕方は違いますし、使い方や手入れ方法によっても変わります。ここでは、革を綺麗にエイジングさせるコツを3つ紹介します。
定期的に手入れする
アイテムを使っていても使っていなくても、革は少しずつ乾燥します。革はジメジメした高温多湿なところも苦手ですが、極度な乾燥は革の劣化を早める原因になります。
長く綺麗に使うためにも、定期的に革用のクリームを塗って保湿してあげましょう。革が乾燥しているかどうかの判断がわかりにくいと感じる人は、以下をチェックしてみてください。
・表面を触るとカサカサしている
・以前よりツヤがなくなっている
・以前より硬くなっている
・曲がる部分に小さなスジやヒビ割れが起きている
上記のポイントはすべて革が乾燥している時に起こる現象です。早めにクリームやオイルを塗ることをおすすめします。
極度な摩擦は避ける
男性の中には、二つ折り財布をズボンの後ろポケットに入れる習慣がある人もいると思います。しかし、触ることが多い部分=摩擦の多い部分は色が濃くなりやすいです。
ズボンのポケットに入れた財布は、常に摩擦の起きる部分とそうでない部分に分かれてしまい、全体を均一にエイジングさせることは難しくなります。
また、体に触れ続けていることで革が温まり、形が変形しやすくなることも。型崩れした革を元の状態に戻すことはできないので、ポケットに入れないようにするなどの工夫をしましょう。
濡れたらすぐに拭く
経年変化する革は、表面を覆っているものがないので、水が染み込みやすいという特徴があります。雨はもちろん、コップについた水滴がポトッと落ちたり、濡れた手で触ったりするとシミになってしまいます。
できるだけ水に当たらないように心がけると同時に、もし濡れたらすぐにタオルやハンカチで水分を拭き取りましょう。この時、拭くもの自体が汚れていると革に汚れが移ってしまいます。必ず、汚れがついていないか確認してから使いましょう。
水分を拭き取ったあとは、風通しの良い日陰で乾かしてから、クリームやオイルで保湿しておくと良いです。
まとめ
革の経年変化は、ほかの素材では楽しめない大きな魅力です。しかし、使い方や手入れ方法によっては綺麗にエイジングしないこともあります。
「人とは違う」ところが良さではありますが、できれば綺麗にエイジングしてほしいですよね。今回紹介したポイントを参考に、革の経年変化を楽しみましょう!
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