STORYFREQUENTER / フリクエンターの開発ストーリー
今の静音キャリーが世に出るまでには、実はさまざまな経緯がありました。 まずはキャスターの製造試作をスタートした時のことです。出来上がった試作のキャリーをワクワクしながら走行させると、なんと静かなはずなのに逆に大きな音になってしまいました。金型をチェックしたりパーツを分解してもどこにも製造上の問題が見つかりません。色々と試行錯誤を続け1ヶ月が過ぎた頃に、キャスターのパーツにバリという成形の時に出る小さな突起部分が綺麗に除去できておらず、これがキャスターの回転時に他のパーツに当たり異音が出ていることがわかりました。小さな部分だったために気がつきませんでしたが、これが音の原因でした。この部分を綺麗に取り除くとやっと音のしないキャスターになりました。途中で原因が分からず心が折れそうになりましたが、やっと生産に入れるとホッとしました。 そうして生産に入ろうした矢先に金型工場に泥棒が入り、この金型が盗まれてしまいました。金型は高価な合金から出来ており、重さも300キロくらいありいいお金に変えられます。ガックリしましたが、キャリーのメーカーも金型代を協力してくれ何とかスタートすることができました。やっと生産に入ったところ、今度はキャスターメーカーが夜逃げをするというよもやのことが起こりました。金型代を払ったのですが、そのお金を金型メーカーに支払っておらずそこが金型を差し押さえをしてしまい、法外な要求をしてきました。色々交渉をしましたが結局話がつかず、このままでは生産に支障が出るということで再度他の金型メーカーで金型を作ることになりました。キャスターを生産するのに2度も金型を作るという予想外のことが起こりました。 生産での問題は何とかクリアーできたのですが、次に苦労したのは販売でした。どのキャリーも重くても軽量、うるさくても静音という表示がなされ、静音性をうまくアピールすることができませんでした。そこで考えたのが、走行ボードという表面がデコボコした音のうるささを比べていただくボードでした。これなら買われる方がすぐに静かさをわかっていただけると思ったのですが、小売店の方からこんなボードは売り場に邪魔だから置けないというつれない反応でした。なかなかこのキャリーの良さを伝えることができずに販売もそれ程には伸びず困っていました。そんな時に名古屋ハンズ様から、コーナーを取って走行ボードも置いてキャンペーンをしようと言っていただきました。実際に音の静かさを体験していただくことができ、予想をはるかに超える販売をすることができました。これがハンズ様全店に伝わり、ほぼ全店で取り扱いをしていただくことになりました。これをきっかけに、ロフト様や全国の小売店様での販売が始まり、やっと本格的な販売がスタートしました。 このように生産から販売まで大変苦労した静音キャスターですが、今ではお使いいただいたユーザーの方々から『本当に静かで、使う時に優越感を感じる』などと大きなお褒めの言葉をいただくようになりました。使う方に喜んでいただけるような商品を提供するのは、弊社が一番大切にしているポリシーです。多くのユーザーの方々に喜んでいただき大変嬉しく思っています。
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